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不動産屋の体験談

☆【実録! お家の買い替え談!】



①【マンションから一戸建てに買い替え】



このお話は、もう10年前のお話になります。

当時、私は新しい新築分譲の現場の販売をしていました。

その現場は駅からも近く、価格的には少し割高ですが、物件の仕様や立地条件の良さもあり
好調に販売を勧めていました。

その中で、一組のお客様にお会いしました。

詳しくお話を聞くと、マンションからの買い替えを望まれているらしく、お子様の学校区
も変わらないし、ロケーションの良いこの現場を気に入ったとの事でした。

お目当ての区画も空いていた事もあり、トントン拍子でお話が進んでいきました。

しかし、買い替えの難しい所に直面してしまいました。


②【マンションは築浅物件だった】



世間一般的に築浅マンションと聞けば、人気の商品である事は理解して頂けると思います。

実際、築浅のマンションは売れ筋の一つであり、不動産のチラシでも目玉商品的に扱われる
事もあります。

しかし、ほとんどの方は住宅ローンでお家を購入されていて、住宅ローンが減っていない
方が殆どです。

今回のお客様もマンションを買われてから5年しか経っておらず、住宅ローンも殆ど減って
居ない状態でした。

しかし、そのマンションは人気のマンションであり、販売されて早期に完売したマンション
でもありました。

きっと築浅でマンションが売りに出るのを待っている方が居るとふんだ私は、短期決戦で
マンションを売却する事をオススメします。

その理由として、マンションを管理維持する為に、住宅ローンと共益費、管理費、固定資産
税、その他に駐車場代を計算して、1年で消費されるコストを緻密に計算して、お客様に
提示させて頂いたのです。

お客様も実際に表になったコストに目を丸くして、一つ一つを奥様と確認しながらお客様
は「表にしたら凄くわかりやすいですね。確かに数百万変わってきますね」
と、納得されて売却価格を決めるお話になりました。

1年単位で数百万なら数年経てばどうなるかを確認して理解して頂いたお客様は、販売価格
を資金計画ギリギリの所に合わせて売りに出す事になります。

私もこの価格なら十分に勝負出来ると思っていたのですが、新たな問題が出てしまいます。



③【同じマンションで別の物件が売りに出た】



マンションの売出を決めて頂いた3日後お客様から電話を頂きました。

「同じマンションで、別部屋が売りに出ました」

それを聞いた私は、ライバルの出現にきたかと思いました。

同じマンションで別部屋が売りに出る事は珍しくはありません。

しかし、築浅のマンションに限っては、すぐに売れる場合が多いのと、希少性も相まって
あまり見かけませんでした。

私は別部屋の乗っている不動産屋さんのチラシを確認して、考え込みました。

価格が80万円程こちらの方が高いのです。

間取りもほぼ同じで、階層も7階と8階。

これはきつい戦いになると思いお客様に相談します。

お客様もきついと思われていた様で、再度価格のご相談をします。

しかし、お客様もギリギリでの買い替えだった為、価格として下げられるのは後30万円
でした。

不動産の売買は大きなお金が動く為、30万円と聞けば安く感じがちですが違います。

30万円は30万円です。はっきり言って大金の部類なのです。

私は別部屋との価格が50万円なので、きつい戦いにはなると思っていましたが、出来る
だけの手段を用意しようと思い、お客様に相談します。

お客様も私の提案を聞いて、少し考えられていましたが、奥様の一声で決心された様でした。

こうして私達も本格的にマンションを売りに出す事になったのです。

 

 

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