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私の不動産体験談②
☆【実録! お家購入中にお客様の会社が倒産!】
【お家購入中にお客様の会社が倒産したお話です】
今回は私が実際に体験した、お家購入中にお客様の会社が倒産したお話です。
もう既に10年以上も前になるのですが、私が担当したお客様とのお話です。
その当時、とある分譲を行っていてそこにお客様がいらっしゃいました。
分譲現場がお客様のお家のそばであった事が幸いし、物件を気に入って頂けました。
小学生のお子様が複数いらっしゃるご家庭で、学校区の変更もなく暮らせると喜ばれていました。
周辺の事も実際に住んでいらっしゃる為、分譲現場のそばのお家の方と友達であったり等
物件を非常に気に入って頂いて、トントン拍子にご成約に至りました。
その当時は、後にあんな事になるなんて、想像もしていませんでした。
【初めてのお家で喜ばれるお客様】
お家の購入などは、一般の方でも一生に一度か二度位が相場です。
私達は業務上常にその一度か二度のお手伝いをしている訳ですので、その一度か二度の事柄
を良きものにする覚悟や習慣を常に持っています。
ですので、常に全力でお客様に提案してご相談に乗っているのです。
今回のお客様も初めてのお家と言う事もあり、間取りの打ち合わせも積極的に行わせて頂き
ました。
お子様も多く希望もマチマチで、誰がどの部屋で一緒に入るのか等を楽しそうに話されていました。
奥様もキッチンや水回り、特にみんなが一番過ごすであろうリビングには特に力を入れられて
おり、間取りの変更も一番多かったのがこのリビングでした。
しかし、楽しそうに話されるお客様を見ていたらこちらも力が入って、長く打ち合わせも
させて頂きました。
間取りが完成した時のお客様の顔は、非常に嬉しそうでした。
その他の設備の仕様決めや色決め等も、随分と楽しそうにしてらっしゃったのを覚えています。
そのお顔を見て、ご成約して良かったと思っていました。
【暗転するご成約】
不動産の業務と言うのは、常に多数の並列作業になります。
今回も間取りや色決めの他に、当然住宅ローンの手続きも同時に進めていきます。
必要書類をお客様に揃えて頂き、書類に署名捺印、ローン期間やボーナスの支払い等、様々
な事柄を同時に進行していきます。
そして、私が住宅ローンの必要書類を持って金融機関に行って、住宅ローンの審査の手続き
を行います。
お客様のご会社は結構大きな会社で、審査自体は難なく内定頂きました。
お客様に住宅ローンの内定を伝えると喜ばれていました。
そして、3週間後に別の件で金融機関を訪れた時に、その金融機関の担当が
「大手さんはどこも大変ですね~。私達も頑張らないと」
と、ちょっと意味深は言葉をこぼしました。
私はその時は『大手さんならではの事柄もあるかな』位で聞いていたのですが、その言葉の
意味を数日後に知る事になります。
お客様から電話で「会社が民事再生手続きに入った。つまり倒産した」
と伝えられました。
私は意味がわからなくて「は?」とキョトンとして言葉が出ませんでした。
【金融機関の神対応】
お客様の物件は既に半分ほど出来上がっており、もう後にはできない状況に来ていました。
お客様も徐々に出来上がっていく物件に興味津々で、ほぼ毎日現場に来ていたと聞いています。
そんな中、お客様の会社が倒産してしまったのです。
お客様も凄くショックを受けており、ご家族様も全体的に元気がなくなってしまってます。
当然ですよね。
もうちょっとで完成と言う所で、何も悪い事をしていないのに、夢を打ち砕かれた様な。
不動産の契約事項に違約金を支払えば、完成間近だろうが契約を解除出来うる項目が設定
されています。
これは救済処置であり、売り主さんが違う人に売りたくなった時は、違約金を買い主さんに
支払えば解除でき、買主さんが買いたくなくなった時は違約金を支払えば契約を解除できる
という項目です。
売主さん買主さんが常に平等な不動産の売買契約。
互いが常に平等になる様になっています。片方が有利な契約は違法なのです。
今回の件で言えば、買い主さんの住宅ローンは内定して着工しているので、ローン特約は
使えません。
普通に買主さんが物件の代金を支払えなくなった事による違約に当たり、違約金が発生する
のです。
お客様もそれを理解していて、違約金はお支払いしますとおっしゃってました。
それが、契約事の決め事だとしても、なんの落ち度もないお客様の顔を見ていると、私の心
はモンモンとしていました。
そして、金融機関での話し合いが持たれました。
私はお客様と一緒に金融機関に出向き、今回の事柄の内容を確認します。
金融機関もお客様のご会社の事は事件当日に知っており、保証会社、金融機関の支店長との話し合い
がされていた模様でした。
私とお客様が隣に座り、対面には金融機関の支店長と融資の担当が座りました。
「今回は大変な事になりましたね」
金融機関の支店長が話を切り出します。若干場の空気が張り詰めます。
私はお客様に落ち度が無い事もあり、今回は徹底抗戦してやろうと心に決めていました。
何が何でも、お客様にお家を買わしてあげたいなとずっと思っていたのです。
しかし、そんな私の試みは未遂に終わってしまいます。
「今回はかなり特殊は事例でありる事は皆様ご理解していると思います。私共と致しまして
は…このまま住宅ローンを借りて、お家を買って頂きたいと思います」
金融機関の支店長の言葉に、私は再度キョトンとしました。
どうやら金融機関の支店長も保証会社にかなりキツメに相談してくれたらしく、かなり無理
をしてくれたみたいでした。
私達の会社とのこれからの取引もあり、更にお客様の人柄もあったのだと思います。
「ありがとうございます」
そう言って涙声になってるお客様。そんなお客様を見ていると、私もつられそうで必死に
我慢しました。
その後、会社が変わったら、連絡して必要書類を提出する等の軽い条件のみが出され、
その場を立ち去りました。
帰りの車の中でのお客様の喜びようが半端なかったのは言うまでもありません。
【何が起こるかわからないのが不動産の取引】
今回、この様な状況で融資してくれたのには、きっと金融機関の支店長の力が大きいきがします。
その当時、私はその金融機関の支店に持ち込む住宅ローンの案件が支店で1番だった事もあり、
上司と良く金融機関の支店長とお話させて頂いておりました。
しかし、それだけでは保証会社は動いてはくれなかったと思いますので、今同じ事が起きれば
融資してくれるかどうかは、解りません。
しかし、何かの縁みたいなものはどこかに存在するのかな?と、当時は思ったりもしました。
今回の様に、不動産の取引には、実に様々な事柄が起こりえます。
お客様と足並みをそろえ、二人三脚で歩めるように、日々頑張って見ようと思ったのです。
これを読んでいる方も諦めずに、何か合った時は二人三脚で乗り越えられる様に慌てず事を
進める事をオススメします。
良き不動産取引があなたに訪れますように、これを書かせて頂きました。では。
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